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空き家の実家はそのまま売るべきか?壊さず売却する判断基準と手順を解説

売却

西垣 貴功

筆者 西垣 貴功

不動産キャリア19年

不動産の売却は、お客様によって状況やご希望が異なります。だからこそ私は、まずお話をしっかりお聞きすることを大切にしています。
これまで数多くの不動産取引に携わってきた経験を活かし、売主様にとって最善の選択をご提案いたします。不安なことや分からないことも、どうぞ遠慮なくご相談ください。誠実に、そして迅速に対応させていただきます。

相続した実家が空き家のままになっているものの、解体せずそのまま売ることはできないか。
そう悩んでいても、何から手を付ければよいのか分からず、時間だけが過ぎてしまいがちです。
しかし、築年数が古い家や荷物が残ったままの実家でも、ポイントを押さえれば建物付きで売却を目指すことは十分可能です。
このコラムでは、空き家となった実家をそのまま売る場合の基本的な考え方から、準備や手順、税金・費用の注意点まで、検討の際に知っておきたい情報を分かりやすく整理します。
あわせて、売るかどうか迷ったときの判断基準も解説し、ご家族で納得のいく選択ができるようサポートします。
まずは全体像をつかみ、自分の状況に当てはめながら読み進めてみてください。

実家が空き家のままでも「そのまま売る」は可能?

実家が空き家になったあとも、建物を解体せず「そのまま売る」こと自体は一般的に可能です。
中古住宅として売却できる場合もあれば、建物の老朽化が進んでいると「古家付き土地」として土地を主とした形で売却されることもあります。
全国の空き家については、老朽化や管理不足が問題とされており、状況によっては自治体から適切な管理を求められる場合もあります。
そのため、解体の有無にかかわらず、売却を選ぶ際には建物の状態や管理状況を把握した上で方法を検討することが大切です。

空き家を売却する方法は、大きく分けると建物付きで売るか、更地にして売るかの二つがあります。
建物付きで売る場合は、解体費用がかからず、現状のまま売却活動を始められることが大きな利点です。
一方で、老朽化が進んだ建物は買主から敬遠されやすく、売却まで時間がかかったり、価格を下げざるを得ない可能性があります。
これに対して更地で売る方法は、買主が自由に建物計画を立てやすいため、需要が高まりやすい反面、解体費用や手続きの負担を売主が負う必要があります。

では、実家の空き家をそのまま売ることが適しているかどうかは、どのように判断すればよいのでしょうか。
判断材料としては、築年数や構造、雨漏りや傾きの有無といった建物の状態に加え、周辺の生活環境や需要の高さなど立地条件が重要になります。
また、老朽化が著しく安全性に問題がある場合や、倒壊等のおそれから自治体の指導対象となる可能性がある場合には、更地化を含めて検討する必要があります。
こうした複数の観点を踏まえ、空き家を維持するための管理費や固定資産税の負担も合わせて比較しながら、「そのまま売る」かどうかを考えることが大切です。

売却方法 主なメリット 主なデメリット
建物付きでそのまま売る 解体費用不要・手間軽減 老朽化で売れにくい可能性
古家付き土地として売る 土地重視の買主に訴求 建物状態次第で印象低下
解体して更地で売る 用途自由で需要を期待 解体費用と手続き負担

実家の空き家を壊さずに売るための準備と手順

実家の空き家をそのまま売却するには、まず所有者や名義の状況を正確に把握することが重要です。
相続が発生している場合、相続登記が済んでいなければ売買契約を結ぶことができないため、法務局で登記事項証明書を取得し、名義人と現在の相続人が一致しているか確認します。
令和6年4月1日から相続登記の申請は義務化され、相続による所有権取得を知った日から3年以内に申請する必要があるため、放置せず早めに手続きを進めることが大切です。
あわせて、隣地との境界標の有無や古い測量図の存在、他の相続人の持分や抵当権の設定など、権利関係と境界を整理しておくと、売却時のトラブル防止につながります。

次に、室内の片付けや簡単な清掃を行い、購入希望者が建物の状態を確認しやすい環境を整えることが望ましいです。
家具や家電などの残置物は、原則として売主が処分するのが一般的ですが、生活の痕跡を一部残したまま引き渡す条件を買主と合意するケースもあります。
仏壇や位牌、写真アルバムなどの思い出の品については、遺族でよく話し合い、引き取り先や供養方法を決めたうえで、売却前に整理しておくと安心です。
また、長年閉め切っていた空き家は湿気やにおいがこもりやすいため、窓開けや換気、簡単な掃き掃除だけでも印象が大きく変わり、内覧時の評価向上につながります。

売却の流れとしては、まず不動産会社へ査定を依頼し、周辺の空き家の実例や市場動向を踏まえて価格の目安を把握します。
そのうえで、必要な書類の準備や相続登記の完了、境界確認などの事前整理を進めながら、媒介契約を結び、広告や内覧を通じて買主を募集します。
購入希望者が見つかったら、条件交渉を経て売買契約を締結し、引き渡し日までに残置物の処分や公共料金の精算、鍵の受け渡し準備を整えます。
国土交通省は、空き家は放置期間が長くなるほど老朽化が進み売却が難しくなると注意喚起しているため、実家が空き家になった段階から、計画的に売却スケジュールを検討することが重要です。

準備内容 目的 確認のポイント
相続登記と名義確認 売却可能な権利関係の整備 相続人全員の同意・持分確認
境界と土地状況の整理 隣地とのトラブル防止 境界標・古い測量図の有無
室内片付けと清掃 内覧時の印象向上 残置物と仏壇等の扱い方
売却スケジュールの検討 老朽化と空き家リスク軽減 査定時期と引き渡し時期

実家の空き家をそのまま売るときに関係する税金と費用の基本

実家の空き家をそのまま売る場合、相続税・譲渡所得税・固定資産税など、複数の税金が関係する可能性があります。
まず、相続の時点で相続税がかかったかどうか、申告の有無を確認することが大切です。
そのうえで、売却によって利益が出た場合には譲渡所得税が生じる可能性があり、保有中は毎年固定資産税・都市計画税が課税されます。
これらの税金が「いつ・誰に・どの程度」かかるのかを整理しておくと、売却後の手取り額を具体的にイメージしやすくなります。

譲渡所得税は、売却価格から取得費や譲渡費用などを差し引いた「譲渡所得」に対して課税されます。
相続した実家の場合、被相続人が取得した当時の購入費用や、登記費用・仲介手数料などが取得費の対象となるため、資料をできるだけ集めておくことが重要です。
また、所有期間が5年を超えるかどうかで税率区分(長期・短期)が異なり、相続による取得の場合は被相続人の取得時期も考慮されます。
詳しい計算や適用の可否は、税務署や税理士など専門機関へ早めに相談することで、思わぬ負担を避けやすくなります。

一方で、空き家となった実家の固定資産税は、売却して所有者が変わるまで毎年発生し続けます。
住宅用地の特例が適用されている場合は税負担が軽減されますが、建物の老朽化や管理状態によっては、いわゆる「特定空家等」と判断されるリスクにも注意が必要です。
その場合、行政指導や固定資産税の優遇解除などにつながることもあるため、放置せず、売却や活用の方針を早めに固めることが望ましいです。
このように、税金は「持ち続ける場合」と「売却する場合」の双方で影響するため、トータルの負担を見比べて判断することが大切です。

税目 発生タイミング 主な確認ポイント
相続税 相続開始時点 申告の要否と納税状況
譲渡所得税 売却して利益発生時 取得費や所有期間の確認
固定資産税 保有している毎年 住宅用地特例と空家指定

空き家の実家をそのまま売るか迷ったときの判断基準

空き家になった実家をそのまま売るかどうかは、感情とお金、そして長期的なリスクを総合的に考える必要があります。
国土交通省の調査でも、実家への愛着から手放せず、判断を先送りにしているケースが多いことが指摘されています。
しかし、老朽化が進むほど安全性の低下や修繕費の増加といった負担が大きくなり、売却しにくくなる傾向があります。
そこで、思い入れと現実的な管理コストを切り分けて整理し、冷静に判断することが大切です。

次に、空き家になった実家には「売る」「貸す」「保有する」「利活用する」といった複数の選択肢があります。
近年は、国土交通省が空き家の流通や利活用の促進に力を入れており、売却だけでなく、多様な活用方法が検討されるようになっています。
一方で、貸す場合は家賃収入が見込める半面、空室リスクや修繕、入居者対応などの手間も無視できません。
どの選択肢にも長所と短所があるため、自分たちの年齢や資金計画、管理に割ける時間などと照らし合わせて比較することが重要です。

また、家族や相続人との話し合いをどのように進めるかも、判断の質を左右します。
相続した空き家の活用については、「売却」「賃貸運用」「保有」といった複数の選択肢を総合的に比較したうえで合意形成を図ることが勧められています。
話し合いの際には、「いつまでに結論を出すか」「固定資産税や管理費を誰が負担するか」といった期限と費用負担のルールを明確にしておくと、後々のトラブル予防につながります。
さらに、老朽化の進行や空き家対策に関する制度変更など、時間の経過による影響も踏まえて、売却タイミングを定期的に見直すことが大切です。

判断の視点 確認したい内容 迷ったときの着眼点
感情と負担の整理 思い入れと管理の手間 将来も維持できるか
選択肢の比較 売却・賃貸・保有 収支と手間のバランス
家族間の合意形成 費用負担と期限 全員が納得できる案

まとめ

空き家になった実家は、解体せず「そのまま売る」ことも十分に可能です。
ただし、築年数や状態、名義や税金、費用などを事前に整理しておくことが、納得のいく売却につながります。
悩みをひとりで抱え込まず、早めに専門家へ相談することで、売る・貸す・保有するなどの選択肢も含め、最適な方法を一緒に検討できます。
当社では、実家の片付けや残置物の扱い、特例の検討まで丁寧にサポートしています。
「うちの実家もそのまま売れるのか知りたい」という方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

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